ファーストエイド

  AHAがガイドライン2010をリリースして、コアな方々の間では話題が続いていますね。話題の中心はAHAのBLS、ACLSといったコースに関することが多いようですが、できればファーストエイドにも目を向けてみてください。
 
 福井ではAHAのハートセイバーファーストエイドコースを日本語版で開催し続けて5年になりますが、ファーストエイド関係のコースは他の団体も提供しています。
 メジャーな世界規模団体としては、メディックファーストエイド(MFA)でしょうか。日本で初めて一般市民向けのAEDコースを開始した団体ですが、BLSだけでなくファーストエイドを統合した分かりやすいコースです。
 
 2児の親としてもファーストエイドコースは重要だと感じている訳ですが、ここで古い本を1冊、紹介します。

 
 2000年に和訳、発行された本ですが、もとは First Aid for Children Fast という、イギリス赤十字監修の洋書です。
 その後、イギリスでは2006年にも改訂版を出版していますが、和訳はされていません。
 
 この本、古いので入手困難ですが、「基準が古い!」と言わずに、図書館などで見つけたら手に取ってみてください。すごいんですよ。
 
 内容を見ますと、一部の記載は、AHAの2005FAコースで「○○○しないで下さい。」とか、してはいけませんとかいう内容と相反していたりします。でもそれは、
 
・2000年の出版物だから(単に古いだけ)
・イギリス赤十字のファーストエイドであり、アメリカ(AHA)とは違って当然
 
といった理由からです。多少の違いがあっても、内容的にすごく参考になります。
 

 
 実際の写真で分かりやすく説明されています。上の写真の左側は電撃です。写真では見えにくいのですが、赤い服を着た子供がハサミを持ったまま、電気スタンドのコードの横で倒れています。いたずらで電気コードを切ろうとして感電した状況です。
 
 水色の服を着た母親は、ほうきの柄で電気コードを遠ざけたり、タオルを足に巻いて牽引し、電源から遠ざけようとしています。AHAのFAコースでは、感電している人に触れてはいけませんとか、主電源を切ってから近づきましょうとか、イメージしにくい説明をしています。でもこの写真は、非常に理解しやすいですね。
 

 
 そして電撃やけど、化学薬品でのやけどです。実際に怪我のメイクアップをした子供を使った写真で、非常に分かりやすく説明されています。
 
 AHAのガイドラインが2010になり、AHAは日本をコース開催のビジネスとしての重要な市場だと認識し始めました。そしてついに、ファーストエイドコースも正規日本語版がリリースされる事になりました。
 
 ここで心配したいのは、「本当に日本の現状に側したコース内容になるのか?」という事です。
 
 AHAのガイドライン2010とは、アメリカ国内におけるガイドラインです。世界共通のガイドラインではありません。そのため、アメリカの医療事情、社会事情を基準としています。
 
 一番分かりやすいのは、歯の外傷に関する話。日本では、とてもあり得ない!というか、アメリカ的だなぁと感じられる、「×××の時は、○○○して下さい」という内容があります。
 
 それは何かって?
ブログ

前の記事

インストラクターアップデート
BLS

次の記事

久しぶりのBLSコース参加