迷ったら心肺蘇生 昨秋、運動中に女児死亡 さいたま市教委事故教訓に教本

明日香さんは昨年九月二十九日、校庭で千メートルを走り終えた直後に倒れ、翌三十日に亡くなった。当初、現場の教員は呼吸があると判断し、心肺蘇生や自動体外式除細動器(AED)の装着をしなかった。学校側の対応の検証と事故の再発防止を求める声が遺族らから上がり、市教委は昨年十月に事故対応検証委員会を設置。これまでに訓練用AEDの配布や心肺蘇生法の研修などを実施してきた。

「ASUKAモデル」は、遺族や救急医療の専門家らが、今年四月から計十二回の会合を重ね、今回の事故を検証しながら作成。医療の専門家ではない教員が子どもの命を守れるよう「意識や呼吸の判断に迷ったら、ただちに心肺蘇生を実施する」と明記した。

明日香さんの母寿子さん(41)は、ほぼすべての会合に出席した。ASUKAモデルが完成したことに「学校が大好きな子だったので、友だちや先生を助けることにつながれば、明日香の思いは生き続けると思う」と語った。

明日香さんの事故後、市内の教育施設ではAEDの使用によって二人の命が救われた。桐淵博教育長は「明日香さんから学ばせてもらったことは、非常に多い。ASUKAモデルが、日本中の子どもたちの元気な笑顔につながれば」と力を込めた。

幅広く活用できるよう、テキストは九月末以降に市教委のホームページにも掲載される。


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