今回は、頚部(首)を守るという話題です。

 

 医療関係者に限らず一般の方でもご存じの事ですが、激しくぶつけられたり、突き飛ばされたりすると、首を痛め、いわゆる「むちうち」になりますね。頭は非常に重たく不安定で、それを支えているのは細い「首」だけです。ですから体に強い運動力が瞬時に発生すると慣性で頭が取り残され、結果的に首に大きな応力が発生し、骨や神経(頸椎)に損傷を与える事もあります。

 

 交通事故や高い場所から落ちるなど「高エネルギー外傷」では、頸椎や脊柱が損傷を受けていることを想定して、むやみに動かさない、あるいは動かす方向を限定したりします。一般的なファーストエイドでは不安定な頭部を保持し、首が楽な状態になるようにしながら救急隊を待つという手技があります。

 

 そして救急隊が患者を評価した際、頸椎がそれ以上損傷するのを予防するために使う器具の一つが、「頸椎カラー(Cカラー)」です。

 

 

 3つ並んでいますが、今回は向かって右の製品に注目です。(ソースではありませんよ)

 

 一般的に、スポンジとプラスチック板で作られた製品が用いられています。向かって左がレールダル社、真ん中がAmbu社の製品です。非常に使いやすいのですが、特殊な環境では問題が発生する事がありました。これらは首に巻き付けるように装着して頚部を保護しますので、皮膚にケガ、火傷、その他の損傷がある場合に、その存在を見えなくしてしまう可能性があるのです。日本のようにすぐに病院に到着できる環境では問題ないのですが、海外や特殊なフィールドでは命に関わってしまうかもしれません。

 

 というわけで出たのが、向かって右にある半透明の製品です。ソースのボトルを見てお分かりのように、ある程度透けて見えます。(ごめんなさい、他に適当なモノが身近に無かったので)首に出血などの怪我がある場合、一目で分かります。救急関係者が患者の引き継ぎを行う際も、すぐに分かります。

 

 日本の一般的な環境ではあまり有用では無いかもしれませんが、たとえば工場の爆発事故など、高エネルギーと火炎、飛散物を伴う事故現場の患者には、有用かもしれませんね。


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