集束型体外衝撃波治療
集束型体外衝撃波治療とは
従来の治療で改善しない慢性的な難治性疼痛はスポーツや日常生活に支障を来します。衝撃波は腱付着部障害や骨性疾患に対し有効性があり、薬剤を使用しないためドーピングの心配がありません。スポーツを愛好する小児に対しても安全で低侵襲な最新の治療法です。
集束型体外衝撃波疼痛装置は本体内の水の中で衝撃波を発生させ体外に照射します。低出力の衝撃波で、水分を多く含む筋肉と脂肪は通過し体内深くにある患部に当てる事が可能な整形外科領域では新しい画期的な治療法です。
集束型は収束したエネルギーを与える方法のため特定の患部のみに強いエネルギーを照射する事が可能です。(例:腱付着部症、偽関節、疲労骨折、石灰沈着、深部トリガーポイント)
拡散型は一度に広い範囲の治療ができ、皮膚表面からエネルギーが放出されるため筋、筋膜疼痛症候群やタイトネスの改善、筋膜リリースの効果が期待できます。(例:広範囲の腱付着部症やトリガーポイント、筋膜性腰痛、頸肩腕症候群、肉離れ)
当院では集束型と拡散型体外衝撃波疼痛装置を保有しているため、腱付着部の炎症変性部位に集束型、周辺の筋?筋膜をほぐすのは拡張型と使い分けを行えます。副作用の事例はほとんど報告されていません。悩んでおられる方はご相談ください。
集束型体外衝撃波治療の流れ
外来受診にて診察、レントゲン撮影、必要に応じ精密検査(CT MRI)を行い適応があるか判断します。
必要性があれば同意書に署名して頂き、衝撃波治療を予約にて行います。
低レベルから開始し、反応を見ながら徐々に出力を上げ、設定したショット数に達したら終了です。
治療後もすぐに歩行でき外来通院で可能です。
集束型体外衝撃波治療の適応疾患
日本では、保存的療法を6ヶ月以上受けて効果がない難治性足底腱膜炎に対してのみ保険適応となっています。
国際整形外科衝撃波治療学会(ISMST)では、下記の疾患が体外衝撃波治療適応疾患(保険外診療)とされています。
【適応疾患】
肩ーーーー腱板炎 石灰沈着性腱板炎
肘ーーーー上腕骨外側上顆炎(テニス肘) 上腕骨内足上顆炎(ゴルフ肘)
膝ーーーー膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)
下腿ーーーシンスプリント
足ーーーーアキレス腱炎 アキレス腱付着部炎
骨折ーーー疲労骨折 骨折遅延治癒 偽関節(骨折の治療は1ヶ月に1回の照射)
その他ーー早期の無腐性骨壊死 早期の離断性骨軟骨炎(野球肘)
集束型体外衝撃波治療の副作用やリスクについて
基本的に副作用は高頻度に発生するものではありませんが稀に起こる可能性があります。
- 治療後の疼痛悪化(一時的)
- 治療部位の腫腫、点状出血、内出血、湿疹
- 感覚異常、知感低下
- その他予期できない合併症
※いずれも数時間〜数日で軽快します。
集束型体外衝撃波治療の費用について
難治性足底腱膜炎のみ保険適応となります。
一連の治療(1〜2週に1回、計3回)で保険点数5,000点を初回に算定します。
窓口での自己負担1割〜3割(5,000円〜15,000円)です。
3ヶ月以上間隔が空き、治療を再開した場合は再度医療保険を使用できます。
その他の疾患は、適応があるか診察して決定します。
自由診療として5,000円(税別)の費用をお願いします。
また2ヶ所以上を治療される場合は別部位として同様な費用をお願いします。
なお同日の医療保険での治療はできません、ご了承ください。
拡張型体外衝撃波治療
拡張型体外衝撃波治療とは
体外衝撃波治療とは高出力の音波を痛みの部位に照射し細胞に機械的圧力を加え、自由神経終末の変性・疼痛伝達物質の抑制・血管新生や腱再生などを起こし、組織修復作用と治癒効果を引き出す低侵襲で安全かつ有効な治療法です。
いままで保存的療法や症例によっては手術とで治療してきた難治性障害の腱炎や腱付着部に対する治療法であり、薬剤を使用しないため小児やスポーツ選手のドーピングの心配がなく、治癒を促し短時間でスポーツ復帰させる事ができます。また圧力波は軟部組織をマッサージし、組織の柔軟性を向上させる効果もあります。
拡散型体外衝撃波治療の流れ
- 外来受診にて診察、レントゲン撮影、必要に応じ精密検査(CT MRI)を行い適応があるか判断します。
- 説明を行い同意書を頂きます。
- 5分程度の体外衝撃波治療を行い、再度問診を行います。
拡散型体外衝撃波治療の適応疾患
- オスグット病(Osgood-Schlatter disease)
- 踵骨骨端症(Saver disease)
- 膝蓋靭帯炎(ジャンプ膝)
- シンスプリント
- アキレス腱炎
- リトルリーグ肩、野球肘
- 上腕骨内側/外側上顆炎(テニス肘)
- 腸脛靭帯炎/大腿直筋付着部炎
- 外傷後の関節拘縮
- 足モートン病
Trigger point treatment
- 頸部痛症候群
- 肩関節周囲炎
- 腰痛/背部痛
- 腓腹筋短縮
- 大腿筋短縮
- 前腕筋筋膜痛症
体外衝撃波治療の効果が期待できない疾患
- 滑膜炎/ひだ障害
- 車いす使用症例/重い物を持つ仕事従事
- 長期期間症状持続
拡散型体外衝撃波治療の副作用やリスクについて
基本的に副作用は高頻度に発生するものではありませんが稀に起こる可能性があります。
- 治療後の疼痛悪化(一時的)
- 治療部位の腫腫、点状出血、内出血、湿疹
- 感覚異常、知感低下
- その他予期できない合併症
※いずれも数時間〜数日で軽快します。
拡散型体外衝撃波治療の費用について
拡散型体外衝撃波治療に関して、特別な費用は発生いたしません
治療に関するお問い合わせは
Tel: 0776-25-3545