ACLSやPALSの除細動器

 週末のACLSコースのご参加、ありがとうございました。来月もACLSがあり、5月にはPALSです。

 関東地方の方がおっしゃったのは、、、

“ACLSもPALSも専門家の医師が優先で、誰でもすぐに受講できるところは福井だけでしょう”。

 ありがとうございます。

 

 今回のACLSコースには3社の手動式除細動器(以下、DC)を準備しました。向かって左からフィリップス、日本光電、メドトロニクス(IMI)です。日本ではこの3種類がメジャーではないでしょうか?

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 ご存じない方が多いのですが、これらのDC、実はAEDのような粘着パッドを使ってショックを実行できます。テレビなどで見られるように、両手に持つパドルを患者の胸にあてがってショックを実行。これが日本では主流です。でも滅菌できないパドルがあったり、ショックまでに時間がかかったり、間違って患者の体に触れたままショックを行ったりします。

 アメリカではAEDパッドのように、使い捨てのパッドを使うのが主流になってきています。その粘着パッド、フィリップスはAEDもDCも、同じ物を使用します。古い製品はバレルタイプのコネクターですが、最近の製品は同じコネクターです。

 日本光電は、AEDもDCも、それぞれのモデルによってコネクターの形状が違います。

 メドトロニクス(IMI、フィジオコントロール)は、AEDと同じコネクターです。しかも、フィリップスなど他社のパッドを装着するためのアダプターが存在します。

 

 これが何を意味するか分かりますか?そう。AEDとの連携です。フィリップスやメドトロニクスは、一般市民がAEDを使って救命を開始した時に、そのパッドをそのまま継ぎ変えて、DCを使った二次救命処置に移行できます。メドトロニクスの場合、他社のAEDであってもアダプターが適合すれば、接続できます。すごいでしょ?

 

 こちらの大学病院では、AEDがフィリップス、救急部や手術室、麻酔科のDCは日本光電を使っています。日本光電のDCは安価で、非常に使いやすい、説明を受けなくても直感的に使えるインターフェースが特徴です。そのためDCは日本光電が導入され、その後、AEDの普及の際はAED各種メーカーの“縄張りの決定”によりフィリップスが導入されたと言うわけです。

 

 でも、上記を考えるなら、パッドの互換性を考えても良いと思います。AEDとDCをフィリップス、メドトロニクスで同社あるいはアダプターで互換性を持たせれば、パッドを剥がして張り替えるとか、剥がして手持ちパドルを使うとかの必要が無くなります。

 

 その点、日本光電のDCにはパッドの互換性がなく、不利に思えます。でも互換性だけを追求することもありませんし、その使いやすさ、値段は大きなメリットです。AEDを置かない個人病院などでは、特に気にする事もないでしょう。

 

 と言うわけで、今回は手動式除細動器(DC)のパッドのお話でした。ところで、画像を見て“?”って思った方、いらっしゃいませんか?フィリップスと日本光電は背が低く奥行きが長い“据え置き”で安定そうなのに、奥にあるメドトロニクスは背が高く、奥行きが無く“縦型”で不安定そう。なんで?

 

 実はこれ、日本とアメリカの法的な違いが関係しているんです。アメリカで売れているのは、写真のメドトロニクスのような縦型が多かったりします。日本と逆ですよね。その話は、次回と言う事で。

ACLSやPALSの除細動器” に対して2件のコメントがあります。

  1. dreamcat より:

    こんにちは。先週のACLSお疲れ様でした。

    私も以前、ICLSを受けたときにDCを初めて使わせていただきました。
    心の中は『これがドラマなんかで使われてるヤツか〜♪』とワクワクしながら使わせていただきました^^

    >メドトロニクスの場合、他社のAEDであってもアダプターが適合すれば、接続できます。すごいでしょ?
    すごいです!知りませんでした。勉強になります。

  2. dr_mimimi より:

     ありがとうございます。初めて触る時って、ドキドキしますよね。でも、ドラマに出てくるように、飛び上がるのはウソ。ビクッとするだけなんだけど、コースではマネキンだから微動だにしない。ちょっと面白くない。。。

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