おくりびと、新型インフル遺体に要注意:Yahooニュースより

 Yahooニュースに、興味深い記事がありました。BBP的な内容です。

 

 簡単に言いますと、他界された方に接する人たち:おくりびと(納棺師)、遺族、友人などなどは、感染症に注意する事。という内容です。

 

 え!?っとビックリされる方が多いかもしれませんが、実はこの記事、“何をいまさら。。。”って内容なんです。MFAはずっと以前から、そしてAHAはこの春から血液感染性病原体コース(BBP)をリリースしています。これは、血液を介して感染する病原体に注意しましょうって内容です。

 

 感染に気をつけるのは、医療職だけではありません。保育園ではアトピー性皮膚炎を介して肝炎ウィルスがアウトブレイクしましたし、ホテルの清掃員も宿泊客の残した血液に接する可能性がゼロではありません。

 

 血液感染性病原体と聞いて思い浮かぶのがHIV、B型肝炎、C型肝炎などでしょう。世の中には怖いウィルスがいっぱいありますが、上記3者の感染症を持つ方は非常に多いです。そして増え続けています。これらのウィルス、血液と一緒に体外に飛散した場合、数時間で死滅してしまうものもあれば、数日間生き続けるもの、1週間生き続けるものもあります。知っていました?

 

 ですから、新型インフルエンザに限らず、上記の感染症を持ったまま他界された方々のご遺体は、お通夜〜葬儀〜火葬まで感染力を持ち続ける訳です。お別れのキスをしたところに血液の付着があろうものなら。。。分かりますよね。

 

 医療職では当たり前の知識ですが、それ以外の職業の方々は、あまり知らない事。BBPコースでは、そんな感染症について学びます。

 

 保育関係者、学校関係者、工場で働く方々にはお勧めのコースと言えます。

 

 おくりびと(納棺師)は、新型インフルエンザが大流行した場合、感染した遺体の取り扱いに気を付けて―。

 第81回米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した邦画「おくりびと」(滝田洋二郎監督)では、遺体をふく、遺体のひげをそる、化粧をするなど「納棺の儀」で旅立ちを手伝う納棺師の仕事がクローズアップされた。しかし、感染症の専門家や感染防護具の関係者らは、遺体が新型インフルなどに感染している場合、これらの行為は感染リスクが高いと警鐘を鳴らす。厚生労働省も、納棺師など葬儀関係業者、排泄物が外に漏れないように処置する看護師、病理医や検死官らに、パンデミック時の遺体の取り扱いに注意するよう呼び掛けている。悲しみのあまり、遺族などが遺体にすがり付く行為も、実は感染の危険を伴うとされており、注意が必要だ。

■遺体から漏れる体液から感染

 新型インフルは飛沫感染で人から人へ感染すると考えられている。このため、くしゃみやせきをしない遺体から感染が拡大する可能性は低い。しかし、遺体から体液や排泄物が漏れている場合、これらが接触感染の感染源となるリスクがあるという。
 北里大医学部の和田耕治さん(公衆衛生学)は「体液や排泄物の中でも、特に呼吸器系から分泌された鼻水、唾液、たんなどは危険度が高いと思われる」と指摘する。
 「体液を直接手で触ってしまった場合、すぐに手を洗えば問題ないが、ウイルスを含む液体の付いた手で自分の目、鼻、口などを触ると感染する恐れがある。個人差はあるものの、多くの人は無意識のうちに顔を触っている」
 米国のある調査によると、10人の被験者を3時間観察したところ、平均で目を7.4回、唇を24回、鼻を16回触っていた。最も多かった人は目を12回、唇を72回、鼻を20回も触っていたという。
 「ウイルスの付いた手でドアノブや手すりなどを触ると、そこからほかの人に感染することも考えられる。遺族や友人などが、新型インフルで亡くなった遺体に直接触れることを希望する場合、手袋を着用してもらった方がよい。触った後はすぐに手袋を廃棄。さらに手袋を外した後も手を洗う。遺体が感染源となる感染症は新型インフルだけではないので、十分気を付けて」(和田さん)
 バイオテロなどで使われる可能性のある天然痘や、B型・C型肝炎などあらゆる病気が、遺体から感染するリスクがあるという。「おくりびと」では、遺族が遺体の額やほほにキスするシーンもあったが、これも遺体がウイルスに感染していることが分かっている場合は避けた方が無難だ。

■埋火葬ガイドライン熟読して

 特に注意が必要とされるのは、職務で遺体と接触する納棺師や看護師、病理医、検死官など。和田さんは、「遺体に触れる機会が多い職種の人々は、厚労省が2月末に改定した『埋火葬の円滑な実施に関するガイドライン』をしっかり読んでほしい」と呼び掛ける。
 厚労省の担当者は、「遺体を埋葬するときは、遺族の感情、地域の葬送文化や国民の宗教感情などを最大限尊重しなければならない」としながらも、「パンデミック時は十分気を付けてほしい。遺体運搬時はガイドラインに従って、体液が漏れないよう非透過性の納体袋に入れて運んでほしい」と話す。

 同ガイドラインでは「遺体の搬送に際し、遺体が非透過性納体袋に収容、密封されている限りにおいては、特別の感染防止策は不要であり、遺体の搬送を遺族等が行うことも差し支えない」としている。

 厚労省は医療機関向けの感染防止マニュアルの作成を急いでおり、今年度に公表する予定だという。

おくりびと、新型インフル遺体に要注意:Yahooニュースより” に対して4件のコメントがあります。

  1. dreamcat より:

    おはようございます。私知りませんでした・・・すみません。
    そういえば月9のドラマ(法医学のドラマ)でもご遺体が肝炎に感染しているから気をつけてというセリフがありました。

  2. dr_mimimi より:

    dreamcatさん、ありがとうございます。
     法医学のドラマの話は知りませんでした。情報ありがとうございます。誤解なども結構多いんですよね。
     ですからそのためのBBPコースです。知っていたらコースが存在する意味が無くなっちゃうので、今知らなくても問題なくて、これから知っていただく事が大切だと思います。

  3. オレンヂ より:

    先月祖母がなくなりました。納棺の儀を行った1級葬祭ディレクターさん(納棺師)と相方さんは、ちゃんとディスポの手袋をはめていらっしゃいました。感染防止だなぁって思いながらみてました。
    祖母は腹水貯留してたので、棺を運ぶ男性らに対して、「故人はお腹に水が溜まってらっしゃるので、できるだけ傾けないでまっすぐにして移動してください」と何度も念を押していらっしゃいました。
    ちゃんと知識を持ってらっしゃる人っぽかったし、みてて安心でした。
    その一方で、身内の子どもたちが、納棺の儀まで、曾祖母にあたる祖母の顔を何かにつけて触ってました。祖母には一応キャリアがなかったことから、これには大目にみてました。甘いですかね?

  4. dr_mimimi より:

    オレンヂさま、貴重な体験談をありがとうございます。

     今の時代、知識が普及しつつあるのでしょうね。手や顔は、カジュアルな接触ということでOKでしょうか。でも体液などはいつ、どこに付着しているか予測がつきません。だからといってそんな注意を促せば、“心遣いが足りない”などと思われてしまうでしょう。なかなか難しい問題ですね。

     20年ほど前、私の関係者は新幹線と人身事故でした。その頃はそんな知識は全くありませんでしたが、BBP的にかなり危険な状況だっただろうと思います。。。

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