ギプス固定中の飛行機搭乗

 交通外傷にて両橈骨頭を骨折した若い女性、救急搬送されてきました。

 左から曲がってきた車と乗っていた自転車が接触、右側に倒れ、両手を地面につき受傷。

 レントゲンにて両橈骨近位端、橈骨頭に骨折線あり。

 両側ともギプス固定で治療する計画です。

 ここまでは、よくある話ですが、、、

 この方、来週、アメリカ西海岸にお帰りになる外国の方なので話しが難しくなっています。

 

 車との交通事故による受傷のため、自動車損害賠償責任保険(自賠責)にて治療費が支払われます。

 しかし、日本国内の治療費は出ても帰国後の治療費はみてくれません。

 インターナショナルセンターのスタッフやフィアンセとも話し合い、予定道り帰国する事になりました。

 慰謝料などの消極損害や後遺症の算定はあるようです。

 紹介状、書かないと・・・

 

 次の問題は、両側上肢のギプスでの帰国です。

 両側上肢の骨折のためトイレすら自分でできない状態。

 どちらかというと軽い骨折の左腕のギプスを短くして対応する事にしました。

 この方は右利きなのでどっちにしろ不自由かもしれません。。。

 フィアンセが一緒だから、いいっかぁ〜

 

 もう一つ心配事が、、、

 受傷後の腫れ、ギプス固定、飛行機に長時間乗る、、、だいじょうぶぅ???

 ギプスでエコノミー症候群、いわゆる深部静脈血栓症が起こり突然死した症例報告を見た事が・・・

 エコノミー症候群とは飛行機などの狭い座席に長時間座る事などで血栓ができ、それが血流にのって肺などに詰まってしまう旅行血栓症です。

 下肢のギプス固定での症例報告でしたので、歩行が制限され発症しやすかったともいえます。

 今回は上肢だから、歩けるし、手も使ってもらえばいいかぁ・・・

 軽い方の左腕のギプスは半分にして、右腕は 1 本割を入れる事にしました。

 やれやれです。

 

 私は飛行機が苦手です。

 リラックス気分でいれるように、搭乗前から十分麦ジュースを注入します(もちろん機内でも・・・)。

 そのため頻回にトイレに行かなくてはならず、エコノミー症候群になる暇はありません。

 

ギプス固定中の飛行機搭乗” に対して2件のコメントがあります。

  1. 佐々木 より:

    素晴らしいご配慮ですね
    海外と保険のやり取り大変そうですね。

    もし、機内でドクターコールがかかると…麦ジュース飲んだドクターが登場するんですね(◎o◎)

  2. pudding より:

    佐々木さん
    コメントありがとうございます。
    確かに急患が出たらまずいですね・・・
    前回は起きた時、CA に依頼されました。
    「手足がしびれるとおっしゃいます、緊急性はないと思いましたので、起しませんでした。おねがいできますか?」
    ひと眠りした後のため大丈夫でした(^^)

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