整形外科を選んだ理由

 整形外科は外科より分岐した、比較的新しい分野です。

 昔の外科医は骨も治療範囲でしたが、私の教授のころからはっきりと分岐したようです。

 整形外科は運動器官を構成する全ての組織の疾病・外傷を治療します。

 骨、軟骨、筋肉、靭帯、神経に関して、脊椎、上肢、下肢など体の広範囲に及びます。

 さらに新生児、小児、成人、高齢者と全ての年齢層が対象になります。

 いわゆる先天性、怪我、スポーツ外傷、事故、加齢性変化と身近な疾患です。

 

 私は小さい頃、じいちゃんのお仕事にかっこよさを感じていました。

 町の小さな歯医者、ユニットがたった 3つの本当に小さな歯科医院でした。

 ドリルやサクションの設備があるユニット。

 たくさんの器具を使って、、、かっこよかった!

 両親は病院が忙しく、休みはほとんどじいちゃんの家に預けられていました。

 まさしく「親の背中を見て育った」感じで、両親の詳しい仕事内容は分かりませんでした。

 そんな感じで、歯医者になりたかった。。。

 

 医学の道に入り、卒業の時に考えたのは、、、

 私なんかが死亡宣告する柄じゃーないなぁ〜人の死なない科にしようと思いました。

 プラモデルを作るのも好きだったし、細かな作業は得意な方だったし・・・

 なにより患者さんが元気な方がいいなぁ〜っと思ったのが一番でした。

 迷ったのが形成外科と泌尿器。

 形成外科はほぼ整形外科と同じ理由でしたが、熱傷センターでの実習がつらかった・・・

 泌尿器は腎移植ができる事に興味を持ちましたが、そんなに多い手術でもないような気がして・・・

 そんな感じで、整形外科を選びました。

 整形外科で扱う関節は無菌、もちろん神経、靭帯、筋肉もきれいな組織。

 それらを元々に近い状態に治し、無い機能を補うようにしていく、、、この科を選んでよかったと思っています。

 

 研修医が終り、大学院に入りました。

 教授から頂いたテーマは骨軟部腫瘍!

 死なない科を選んだつもりが、整形分野で唯一、死に密接している腫瘍!え〜〜〜!!

 無事、学位を取ることができました。

 実際は、終わった症例の検討を行なったため、腫瘍死を経験したのは少数でした(^^)

 

整形外科を選んだ理由” に対して2件のコメントがあります。

  1. みたらし団子 より:

    病院で、トントンカンカン。大工さんしてるなんて、pudding先生の外見からは想像つかないですね・・・?
    外見で判断したらダメか・・・。失礼しました。
    何故、歯医者さんにならなかったのですか?

  2. pudding より:

    みたらし団子さん
    コメントありがとうございます。
    整形外科=大工
    ですね、、、(^^)
    >歯医者さんにならなかったのですか?
    う〜〜〜ん
    なぜだか自分でも分かりません。
    高校から大学、、、あまり物事を考えていなかったのだと思います。

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