セアカゴケグモに注意

体長は雄が2.5から3mm、雌が10から14mm。体色は暗褐色又は黒色。メスの腹部背面中央にはゴケグモ特有の砂時計型の赤又は橙色の縦斑紋があります(オスには赤い斑紋はありません。)。卵のうは乳白色又は黄褐色で、形は球形です。

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(左)セアカゴケグモメス・卵のう   (右)セアカゴケグモオス

生態

日本では1995年に大阪で初めて発見されました。大阪の湾岸地域では、工場内、公園内のブロックの隙間、墓石の隙間、道路側溝の蓋の裏などから発見されています。強い毒を持っていますが、攻撃性のないおとなしいクモです。

被害

素手でさわらない限り咬まれることは有りませんが、咬まれると激しい痛みととももに、局所の腫れ、めまい、嘔吐などの局所症状のほか、時には血圧の上昇、呼吸困難などの全身症状が現れることもあります。有効な抗毒素血清がありますので、咬まれたときはまず、医療機関に相談してください。

咬まれたときの症状

・はじめはチクッと針で刺したような痛みを感じます。
・やがて咬まれた部分のまわりが腫れて赤くなります。痛みはしだいに全身に広がります。
・悪化すると、多量の汗をかいたり、さむけ、はき気などがあらわれることもあります。
・通常は、数日から数ヶ月で回復する例が多く、咬まれても重症になることはほとんどありません。

咬まれたときの処置

・万一クモに咬まれたら、余分の毒を温水や石けん水で洗いおとします。多少出血があっても、包帯や止血帯はしないほうが良いでしょう。
・できるだけ早く病院に行って治療を受けることが大切です。(病院には咬まれたクモを殺して持参してください。適切な治療につながります。)

生息場所

網を張って住みつき、繁殖するには次の条件が必要です

1 日当たりが良く、暖かいところ

2 昆虫や小動物などの餌が豊富にあるところ

3 巣を張る適当なすき間があるところ

こんな所に注意

・排水溝の側面やふたの裏
・花壇のまわりのブロックのくぼみや穴、プランターと壁とのすき間、うつ伏せの空の植木鉢の中
・芝生や植木あるいは水抜き管の内部
・墓石の花立てと線香立ての間や巻き石などのすき間
・自動販売機の裏、クーラー室外機の裏、浄化槽ブロアーカバーの内部などの人工的な熱源の周り

こんな時に注意

セアカゴケグモが生息している場所では、次のようなことに気を付けてください

・溝などを掃除するとき、ふたやグレーチング(格子)の裏にいたクモに触れてしまう。作業には軍手を着用し、ズボンの裾から入り込まないように注意すること。
・帽子やヘルメット、長靴など身につけるものを長い間屋外に置いていて、その間にクモが入りこんでしまう。着用する時に触れてしまう。それらを使用したり触ったりする時は、特にその中や裏側を十分に点検すること。
・クモの隠れる小さなスペースのある、砂場の玩具、地面に半分埋められたゴムのタイヤなどで遊ぶ時に触れてしまう。
・植木の手入れ時に、植木鉢で隠れていたクモに触れてしまう。

駆除

・生息しそうな場所に普段から注意し、クモの巣があれば、棒切れなどで払って、クモが巣を作らないようにすればこのクモからの被害を避けることができます。
・セアカゴケグモを見つけても、素手で捕まえたり、さわったりしないようにしましょう。
・クモに直接、市販の家庭用殺虫剤(ピレスロイド系)を噴霧すれば駆除できます。