AEDで救命!

 福井県鯖江市の企業で発生した緊急事態でAEDが使用され、無事に救命されたそうです。

 

 医務室があり、常勤の看護師がいて、AEDがあり、役職者は全員講習を受けていたそうです。素晴らしいですね。しかもAEDを設置したのが半年前!今日も2回目の講習を予定していたそうです。

 

 AEDを設置して、講習を受ける。コスト的に高額です。日本では消防や医師会による無料の講習会が普及していますが、アメリカでは基本的にAHA HS-AEDやMedic First Aid のようなOSHA基準に即した有料の講習が基本です。

 AEDはリースであったり買い取りであったりします。リースの場合は毎月の支払い、買い取りの場合は3年程度でバッテリーの交換、2年程度でパッドの交換と、AEDを所有する限り、継続して出費が必要です。

 

 企業や開業医がAEDを導入する際、まず考えるのが、“そんな高価な出費をして、もとが取れるのか?”という事でしょう。来客が増えるわけではない。収益が上がるわけではない。結果的に意味はない。。。

 

 アメリカでは、考え方が逆です。心肺蘇生やファーストエイドの講習、AEDがなければ、緊急事態が発生した時に多大な損失が発生します。医療費、本人や家族に対する保証、従業員が休んだときの穴埋め。目に見えるお金としての損失だけでなく、目に見えない社会的な損失も大きなものになります。それを防ぐための先行投資、保険としてAEDの設置や講習の受講があるわけです。

 

 一人の命を救う事が出来た村田製作所による社会的利益は大きいでしょう。村田製作所としては取引先の信用を固め、従業員も、安心して働けるので、効率は上がります。取引先も、この方の業務を他の従業員に分配する必要がないので、これまで通り、スムーズに業務が進むことでしょう。

 

 AED普及率ナンバーワンを誇る福井県。今回の記事を心の支えに、みんなが助け合える、住みよい社会としてナンバーワンを誇れるよう、みんなで頑張る事が出来ればと願います。

murata_s

AEDで救命!” に対して4件のコメントがあります。

  1. dreamcat より:

    おはようございます。
    すばらしい〜〜〜!!!写真に写っている方々の笑顔もステキです!
    こうやってメディアに取り上げられてどんどん救命の輪が広がっていくといいですね〜☆

  2. サブ より:

    まぁ~、AEDが適用できる状態で良かったですね。
    適用できないような状況だったらどうなったのか。

    ガイドライン2005にドンピシャな講習を受けていれば動ける可能性は
    ありますが、消防でもAEDのガイダンスを待てという指導をしている人もおります。
    (ショック後の胸骨圧迫についてすぐやる、しばらく待つという点)

    この話で今回、興味があるのは要救助者が何でショックを受けなければならなかったのか?
    という原因を知りたいですね。
    もっとも個人情報なので難しいとは思いますが。

    私自身は病気を放っておけば自分がAEDの適用対象になってしまうくらいの状態を
    経験しております。要するに自業自得なのですが。
    助かった記事も重要なのですが、原因を防ぐことの方が重要だと思います。
    私はCPRの重要性とともに予防ということにも力を注いでいきたいと感じている今日この頃です。

  3. syu より:

    おはようございます。
    すばらしいですね!!
    でも、個人的には、『AEDで救命』ではなくて
    『みんなの力で救命』がいいかなぁ・・・
    近年、AEDの関心も高くなり、メディアにも取り上げられ、また設置普及も進んできました。
    しかしながら、そのAEDの使用方法、効果、適応等はまだ浸透していないのが現状でしょうか・・・!?
    心肺蘇生法と組み合わせて力を発揮するものだということ。
    ショックが必要ない時は、心肺蘇生だということ。
    そして何より、すべて人の手によって行われること。
    そのように考えたら、AEDが救命したのではなく、写真に写っている笑顔の3名、それを可能にした会社の力が救命したように思えて仕方ありません。

    本当に勇気ある行動に拍手を送りたいと思います。

  4. mimimi より:

     >dreamcatさま
     ありがとうございます。医療関係者が何を言っても説得力ありませんが、身近な実例は、インパクトが強いですよね。みんなが少しずつ関心を持ってくれるようになれば嬉しいです。

    >サブさま
     大変な経験をお持ちなのですね。おっしゃるように、予防や治療は、その後の対処よりも重要です。
     蒟蒻ゼリーやプチトマトで窒息死が発生しますが、窒息時の対処法がまったく周知されていない事にいらだちを感じます。が、それ以上に1才の子供に蒟蒻ゼリーを与える無神経さに腹が立ったりします。
     論点はずれますが、糖尿病を放置すると目が不自由になったり、四肢の問題が出たりしますね。糖尿病の治療を継続的に受けるのは大変な事で医療費もかさみますが、放置して視力低下、失明、指や手を失ったり易感染になったりする方がよっぽど損失が大きいです。
     記事の男性、病院で急性心筋梗塞を発症していたと言う事で、冠動脈の狭窄やプラークの蓄積など、もともと“爆弾”を抱えていたのではないでしょうか?それに気付いていたかどうか、治療を受けていたのかどうかは別として。なににつけても、予防は重要ですね。

    >syuさま
     そうですね。意識がなければ人を集めて通報。一人では何も出来ません。みんなの心と努力で助かったとアピールして欲しいですね。
     AEDは普及しましたが、使用法や一歩踏み出す勇気はまだまだです。施設内で人が倒れたので施設のAEDを装着。ショックは不要ですと言われたので、救急隊が来るまで遠巻きに放置。そんな事もありました。
     AEDを強調するよりも、心肺蘇生の教育を、小学校の中学年くらいから始めるべきでしょうね。

コメントは受け付けていません。

ブログ

前の記事

おのぼりさん