歯科医の努力

 歯科治療って、イヤですよね。痛いし、怖いし。。。心疾患をもっていなくても、心臓発作に襲われそうになります。

 

 世の中にはいろいろな理由(原因)から歯科治療が困難な方がいらっしゃいます。そんな方々のために努力している歯科医師の記事がありました。すごいですね。

 こういった配慮が十分に出来れば、全身疾患をもつ人達でも、緊急事態に陥ることなく治療が出来るのでしょう。でも、普及は困難でしょうね。。。

 

診察台苦手 歯科医が配慮

「診察台が苦手な人は、立ったまま治療します」と説明する舩坂さん(東京都台東区の舩坂歯科診療所で)

 歯科の診察台で、20歳代の女性患者がケーキをパクパク食べている。フォークを置いて缶コーヒーを飲み、「ふぅー」と一息ついた所で歯科医は声をかけた。

 「では水でうがいして、歯を見せてくださいね」

 東京都台東区の舩坂(ふなさか)歯科診療所では、このような不思議な光景が展開されることが珍しくない。

 女性患者はパニック障害で、長く歯科に行けなかった。同診療所の舩坂満さん(51)が、一番落ち着ける行動を事前にたずねたところ、「ケーキを食べている時」と答えたため、このような治療になったのだ。

 パニック障害は、薬物治療と認知行動療法で改善が望めるが、発作が減っても「逃げられない場所」を避ける傾向が続くこともある。拘束感がある歯科の診察台や美容院の席は、患者が特に苦手とする場所で、ある男性患者は「歯科でイスを倒されて上からのぞかれると、すごい圧迫感で苦しくなる」と語る。

 舩坂さんも、病院の口腔(こうくう)外科で働いていた20歳代後半の時、パニック障害に陥った。車や電車に乗れず、診察中にも発作が起こった。

 克服したのは30歳代半ば。きっかけは、知人に誘われて始めた卓球だった。何度か通ううちに発作が減り、長くできるようになった。「最後はいつもヘトヘトになって、早く帰って休みたい一心で、電車にも乗れるようになった」

 パニック障害の患者は、週に1度、予約で対応している。1人数時間かかることもあるが、困っている患者は多く、「体力が続く限り対応したい」という。

 患者は、受付で待つ間に苦しくなることが多いため、すぐに診察室に案内する。診察台が苦手な人は、立ったまま治療する。発作が起こりそうになったら、麻酔中でも治療を中断し、散歩して来てもらったり、診察室の隅にタオルを敷いて横になってもらったりする。

 発作が不安で外に出られない近所の患者には、往診を行うこともある。20歳代の男性患者は「寝ないと落ち着けない」と訴えたため、ベッドに一緒に横たわって歯を抜いた。

 他の歯科医院でここまでの対応を求めるのは難しいが、まずは歯科医に病気を伝えてみることが大切だ。患者らは「すぐに治療を中断してもらえるだけでも安心感が増し、発作が起こりにくくなる」という。

 NPO法人「全国パニック障害の会」は今後、日本歯科医師会などに病気への理解を求める方針。同会のホームページでは、会員に評判の歯科医院や美容院のリストを見ることができる。

2009年6月23日  読売新聞)
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