救命士によるエピペンの使用
エピペンってご存じですか?重度のアナフィラキシーを発症したときに、病院に行くまでの繋ぎの処置として、自分でアドレナリンを投与できる簡易型注射器です。
今までは処方された本人が自分で使用しなくてはいけないとされていましたが、平成20年の3月には学校の先生が生徒に対して使用できるようになり、21年の3月には救命士が要救助者に対して使用できるようになりました。アナフィラキシーを発症した。エピペンは所有している。でも呼吸困難その他の症状がひどく、自分で使用できない。。。そんなとき、学校の先生や救命士が本人に替わって使用できると言うことです。他人のエピペンはダメですよ。
救命士に使ってもらう場合は、
1,自分のエピペンであり、その旨本体に明記してある。
2,緊急通報した際に、アナフィラキシー疑いであり、エピペンを所有しているが自分で使える状況でないと伝える。
事が大切でしょう。
学校の場合は、あらかじめかかりつけ医と保護者、学校側に書類を提出して周知しておく必要があります。
学校の対応に1年遅れた対応ですが、これは大きな一歩であります。AEDと同様に急速に広まることを期待したいです。
救急救命士のエピネフリン投与で報告書−消防庁検討会
8月17日22時3分配信 医療介護CBニュース
プロトコール(例) |
総務省消防庁は8月17日、「消防機関における自己注射が可能なアドレナリン(エピネフリン)製剤の取扱いに関する検討会」の報告書を公表した。自己注射型のエピネフリン製剤を、救急救命士がアナフィラキシーショックを起こしている患者に代わって投与する際の手順や注意事項がまとめられている。
厚生労働省が3月に発出した通知により、救急救命処置の範囲などが一部改正され、アナフィラキシーショックで危険な状態にある患者が、自己注射が可能なエピネフリン製剤「エピペン」を処方されている場合、救急救命士による投与が可能となった。これを受け、消防庁は6月15日に同検討会を設置し、体制整備のために検討を進めてきた。
報告書では、救急救命士によるエピペンの使用は、メディカルコントロール体制の中で医学的な質が保証され、事後検証を前提に行われるべきとされた。各メディカルコントロール協議会には、地域の実情に応じたプロトコールの作成や処置に際しての医師によるオンラインでの助言体制、事後体制や教育体制を構築することを要請している。
対応時の必須事項として、救急救命士はエピペンの処方があるか119番通報時などに確認するほか、アナフィラキシーが疑われ、本人が打つことが困難な場合に、代わりに救急救命士がエピペンを打つこととされた。
エピペンの取り扱い手順としては、使用前に使用期限や薬液の変色、沈殿物の有無を確認し、添付の連絡シートにより患者本人のものであることを確認する。
エピペンの先端に指や手を当てることなく、中央部を持ちながら使用し、患者の太ももの前外側の皮膚に直角に強く押し当て、注射液が確実に出るように5秒間保持。その後、注射した所を数秒間もむとしている。
また、針が出ていることを確認し、使用済みのエピペンをハザードボックスに破棄する。その後、エピペンを使用したことを搬送先の医療機関に伝えるほか、救急救命処置録に記載する。
留意事項として、救急救命士は通常の救急活動と同様、緊急性が高く十分に実施できない場合を除き、患者からインフォームドコンセントを得る必要があるとしたほか、自分に針を刺してしまう可能性があるため、エピペンの先端に指や手を当てて使用することは絶対に避けるよう指示している。
使用後は、エピペンをリキャップせずに、ハザードボックスに破棄する(患者本人が使用した場合と取り扱いが異なる)。投与後は薬液の大部分が注射器内に残るが、針が出ていれば一定量のエピネフリンが投与されており、問題はないとしている。もし、針が出ていない場合は、再度投与を行うとしている。